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【WJ】短編

第36章 【切甘】居場所/白布賢二郎


「青城にさえ負けなければ別にどうだっていいんです。」
「お前のそういう所ムカつくわ。」
「そうですか。」
「お前がそんなんだからアイツ等だってそう思うんだろ。」
「…白布さんに私の何が分かるっていうんですか?」


 先輩に対してあんまりだったかと思ったけど、私の神経を逆撫でする白布さんに私だってイラついた。


「及川の妹って言われるのが嫌なら、及川に嫌がらせするより、そう言われないように努力しろよ。お前がどこ言っても及川妹って言われんのはそれが原因だろ。」


 私は何でもできる兄達とは違う。私が頑張った所で兄達には叶わない。頑張ったって兄達はと比べられてしまう。


「…何でも出来る白布さんには私みたいな頑張っても何も出来ない人間の気持ちなんか分かりませんよ。」
「…そうかよ。」


 そう言った白布さんの目は凄く冷たくて、怖いと感じた。でも、私間違えた事は言ってない。二年生にして宮城一の強豪校の正セッターの座を任されるような白布さんに私の気持ちなんて分かる訳ない。大した努力もしないで私の欲しいものを簡単に手に入れられるような人に私の気持ちが分かってたまるものか。


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