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【WJ】短編

第34章 【切甘】近過ぎて見えなかったもの/瀬見英太


「はあ…高校生活ももうすぐで終わりだって言うのに、彼氏も出来ずに変わり映えのしないバレー部面々と過ごす事になるのか。」
「俺は逢崎と三年間いれて嬉しいぞ。」
「ありがとう、若利。若利にそう言ってもらえるなんて嬉しいよ。」


 最初は絶対仲良くなれないタイプだと思っていた若利。でも三年も一緒に過ごせば、その気持ちは何処へやら。すっかり仲のいい友人だ。


「俺も彼女欲しー!」
「英太、私服のセンスは悪いけど、顔はいいんだからすぐ出来るでしょ。」
「さり気なく悪口挟むな。」
「そんなに二人共彼氏彼女欲しいなら付き合っちゃえばいいじゃん?」
「だから、英太だけは無理だって。」
「俺だって遥香は無理。全然可愛げねーもん。」


 可愛げがない。そんなの英太に言われなくても分かってるつーの!でもそれを英太に言われると腹が立つ。ムカついたから取り敢えず、蹴っといた。


「ほら、そういう所が可愛くないんだって!」
「うるさい!ダサ見ダサ太!」


 そんな事があって迎えた午後の授業。配られたプリントには進路希望調査と記された紙。三年生にもなって進路が決まってないなんてまずいよな…。てか、英太もサッサと進路決めろっつーの!じゃないと私の進路も決まらないし。仕方が無いから、取り敢えず推薦の来ている大学の名前を適当に書いて提出しておいた。

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