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【WJ】短編

第32章 【甘】独り占め願望/国見英


「それじゃあまず塩キャラメルソースから作ろっか。」


 鍋に有塩バター、ブラウンシュガー、生クリーム、塩を入れ、中火に。鍋に入れた材料を混ぜながら沸騰するのを待った。沸騰し、火を弱火にし、五分それを煮詰め、仕上げにバーボンウイスキーを入れ、火を消した。それを冷ます為に鍋から耐熱容器に入れ替え、塩キャラメルソースは完成。


「これが作れたらブラウニーだけじゃなくて他のお菓子にも使えるからね。」


 いつも授業を気だるそうに受けている国見君。なのに、塩キャラメルソースの作り方を真剣に見ているその姿が何だかちょっと可愛いな、と思った。というか、美味しかったから自分でも作りたいという発想が可愛い。


「それじゃあ、ブラウニー作って行こうか。」


 鍋に砂糖を入れ、それを火にかけ、混ぜながら溶かし、砂糖が濃い茶色になった所で火から下ろし、バターを入れる。


「跳ねるから、火傷に気を付けてね。」
「分かった。」


 ゴムベラで混ぜバターを完全に溶かした所で生クリームと塩を入れ混ぜ、火に戻し混ぜながら加熱し、火から下ろし、十五分冷ます。溶かしたバター、砂糖、バニラエッセンス、塩、コーヒーを合わせ混ぜ、ココアパウダーと小麦粉を入れ混ぜる。半分よりやや多めの生地をパーチメント紙を敷いた型に入れ、四分の三の量のキャラメルをその上に広げ、残りのブラウニー生地を入れ、キャラメルをのせる。初めてのお菓子作りだというのに意外と手際のいい国見君の姿に感心した。


「あとはこれを四十分オーブンで焼いたら完成だよ。簡単でしょ?」
「逢崎いつもこんな事一人でやってんの?」
「うん、そうだよ。」
「結構面倒臭いね。お菓子作るの。」
「でも、食べてくれる人が美味しいって言ってくれたら、作って良かったな、って思えるから私はお菓子作るの好きだな。」
「ふーん。」


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