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【WJ】短編

第3章 【切甘】孤独な王様/影山飛雄


「勇太郎、アンタ烏野が来ても、絶対突っかかっていかないでよ。」
「は?なんで?」
「なんでって、飛雄が傷付くでしょ!」
「飛雄、飛雄って、ほんと中学の時から遥香は影山のこと贔屓し過ぎなんだよ!アイツに振り回されてた俺らの気持ちもちょっとは考えろよ!それに今は北川第一のマネージャーじゃなくて、青葉城西のマネージャーだろ!」


 最もすぎて反論出来ない。


「矢巾さん、行きましょう。」


 そう言って勇太郎は矢巾君と体育館を出ていった。
 別に私は飛雄を贔屓してるつもりはない。ただ、純粋に心配なだけ。バレーを嫌いになってしまったんじゃないか、って。でも、烏野に行って、バレーを続けてると知って、少し安心した。


「お願いしあーす!」


 声の方を見ると、烏野の部員たち。その中に、飛雄がいた。飛雄の姿を見て、声を掛けに行こうかと思ったけど、いざ飛雄の姿を見ると、去年の県予選の時の飛雄の姿が重なって、私の足は鉛みたいに重たくなって、その場を動くことができなかった。



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