第3章 【切甘】孤独な王様/影山飛雄
「え?烏野と練習試合ですか?」
「ああ、北川第一の影山が烏野に行ったらしい。影山をセッターとしてフルで出すことを条件に練習試合を組んだ。」
そう、監督に言われ、私は言葉が出なかった。
卒業して初めて飛雄に会う。正直、怖くてたまらなかった。私の考えなしの大丈夫の言葉に飛雄は傷ついていないだろうか。ここには、あの時一緒に試合をした勇太郎も国見君もいる。飛雄が傷ついてしまうんじゃないだろうか。なんて色んな事を考えたけど、そんなこと考えたところで、私はまた一年前と同じで何もすることが出来ない。