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【WJ】短編

第23章 【切甘(R18)】閉じ込めた恋心/及川徹


「俺、本気だよ?」


 その真っ直ぐな瞳に思わずときめいてしまった。相手は五つも年下の高校生。真に受けちゃいけない。


「はい、固定はしたけど、無理はしちゃダメよ?今日はもう部活はやめて家でゆっくり休みなさい。後、痛みが続くようならちゃんと病院に行くのよ?」
「はーい。」


 私が及川君の言葉に応えを出さなかったのか少し拗ねたような顔でそう返事をした及川君。そんな及川君を可愛いと思ってしまった。
 別に及川君がカッコいいから惹かれてる訳じゃない。…まあそれも理由の一つではあるけど、私が困っている時、いつも手を差し伸べてくれるのは決まって及川君だった。赴任してすぐ、柄の悪い男子生徒に絡まれ、困っていた時も助けてくれたのは及川君だったし、しつこい飲み会の誘いを断るキッカケをくれたのも及川君。保健室の備品整理だって、重い物を運んだりして手伝ってくれたり。及川さんの事好きなんです、なんて相談に来る女生徒達が羨ましかった。私も高校生だったらな、なんて思ったけど、きっと高校生の私なんて、及川君に取って大勢の女の子の中の一人。これくらいの時期って、年上に魅力を感じちゃう頃よね。私だって高校生の時は年上の大人の男性に憧れたもの。だから、及川君のそれもただの一時の迷い。そう思って傾きつつある自分の気持ちに蓋をした。


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