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【WJ】短編

第19章 【甘】ありったけの愛をどうぞ召し上がれ/灰羽リエーフ


「遥香ちゃん!」


 扉を開けたのはリエーフのお姉さんであるアリサさんだった。状況が状況だけに私は慌てた。


「ちょっと姉ちゃん。いい所なんだから邪魔しないでよ。」


 そんなリエーフの言葉にお構い無しに部屋に入ってくるアリサさんは、私の上に股がるリエーフを押し退け、私に抱き着いた。


「レーヴォチカばっかりズルい。遥香ちゃん来るって知ってたらもっと早く帰ってきたのに。私だって遥香ちゃんと遊びたいもん。」


 綺麗に整った顔をムッとさせるアリサさん。私はリエーフに組み敷かれた所をアリサさんに見られ、恥ずかしさでいっぱいで、何と言葉を返したらいいか分からなかった。


「あ、ゲームしてたのね?私も仲間に入れて?」
「も、勿論です!」


 危機を回避出来たことにホッと胸をなで下ろした私。私と一緒にゲームをする事が出来るのが嬉しいのか、嬉しそうに笑みを浮かべるアリサさん。二人きりじゃなくなった事が気に入らなかったのか、さっきのを中断さらたのが気に食わなかったのか、多分その両方の唇を尖らせるリエーフ。
 いざゲームを始めれば、アリサさんもリエーフと同じくキャラクターの動きと同じように体が動くアリサさん。アリサさんの参戦に不満そうだったリエーフも楽しそうにゲームをする。三人で熱中してゲームをした。


「あ、リエーフ。台所借りてもいい?リエーフの大好きなお稲荷さん作ってあげる。」


 そう言うと、一気に表情が明るくなったリエーフ。するとアリサさんがそれなら私のエプロン貸してあげる、なんて言って、私のには似合いそうもないフリルのついた可愛らしいエプロンを貸してくれた。似合わないのは着ける前から分かっていたが、アリサさんの好意を無下にする訳にもいかず、そのエプロンを身につけた。


「遥香ちゃん可愛い!リエーフと結婚して早く私の妹になって欲しいな。」


 彼氏の家族からそんな風に声を掛けてもらえるのは恥ずかしさもあるが、嬉しさの方が何倍も大きかった。



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