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【WJ】短編

第19章 【甘】ありったけの愛をどうぞ召し上がれ/灰羽リエーフ


 髪の毛を乾かし終えると、ゲーム機を取り出し、今日こそは勝ちますと言って渡されたコントローラー。リエーフの足の間に座りコントローラーを握る。リエーフは私を抱き締めるような形でコントローラーを握り、ゲームが始まる。奇声を発しながらキャラクターの動きに合わせ同じように動くリエーフに笑いをこぼしながら、リエーフの操作するキャラクターを叩きのめす。お兄ちゃんがゲーム好きということで、小さい頃からお兄ちゃんとよくゲームをしていた私はゲームが得意で、ゲームがヘタクソなリエーフを完封なきまでに叩きのめす。このゲームという趣味のおかげで、同じクラスの孤爪君と仲良くなり、孤爪君に毎日トスを上げて欲しいと頼みにくるリエーフと知り合うキッカケになったのだから、本当にゲーム様々だ。


「あークッソ!」


 ゲームに負け悔しそうな顔をするリエーフ。その表情も堪らなく好き。


「もう一回!」


 負ける度にもう一回と声を上げ、意地になるリエーフ。私よりもうんと背が高くてカッコいい彼氏は、その見た目のカッコよさと裏腹に、子供っぽくて可愛い性格。そんな見た目とのギャップも私がリエーフに夢中になる理由の一つだ。


「リエーフ。」


 後ろを向き、リエーフにキスをした。猫みたいな瞳がくるんと真ん丸になる。


「大好き。」


 リエーフは握っていたコントローラーを床に投げ、私を後ろからぎゅっと抱き締めた。


「俺もスゲー大好きです。」


 そう言って、今度はリエーフからキスをされ、そのキスは先程私がした触れるだけのキスではなく、深く濃厚な絡み合うキス。離れた唇を銀色の糸が伝い、ポタリと落ちた。リエーフの熱っぽい視線に思わずドキリと心臓が跳ねた。普段は可愛いリエーフだが、こういう時のリエーフはなんというか、色っぽい。そんなリエーフも好きだけど、


「リエーフ、ちょっと待って。」
「無理。待てません。」


 床に組み敷かれ、首筋にキスを落とすリエーフ。その行為に思わず甘い声が漏れた。すると、ドタドタと階段を上る音が響き、リエーフの部屋の扉が勢いよく開いた。


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