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SHELTER【気象系BL小説】

第5章 深遠の記憶


「…ニノは…ニノの住んでいたアースノールのラボ(研究所)の入るビルから飛び降りたんだ…」
「飛び降りた…」
「ニノを育ててるヒューマノイドの会話の記録には…不可解な会話が残ってた…」
「え?」
「強姦…性行為…男同士…快楽…」
「それは…ニノが言っていたの…?」

智がソファから身を乗り出す。

「ああ…その会話の後、ニノは発狂したようになって、ラボのクリーンルームを飛び出して、外の階段から飛び降りた」

翔は前髪を少しかきあげて、目を閉じた。

「ニノの身体は左半身がぐちゃぐちゃだった」
「え…でも身体にそんな傷跡とかない…」

雅紀が俺の左腕を擦った。

「ニノの細胞再生能力は異常だ」

そう言うと翔は俺を見た。

「手の傷だってすぐ治っただろ?」

自分の手を見たら、ついていたはずの傷がなくなっていた。
なんで…?

「だがな…ひとつだけ、再生しなかった…」
「それは…どこ…?」

雅紀の腕がまた震えだした。

「まさか脳…とか言わないよね…?」

そう言って俺の頭を片手で包み込んだ。

「…スエードの握った情報だと、同じ日に死んだKAZUの遺体に不審な点があった」

翔が頭を指差した。

「ぐるり、切開した痕があったそうだ」

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