第4章 Knockin' on Heaven's Door
「これがホムンクルスの赤ん坊…」
「はい。随分成長したでしょう?」
なあに…?
長野博士と…誰の声…?
「本当に人間と変わらないんだな」
「ええ…臓器に至るまで、すべて人間と同じです」
「…色が白いなあ…」
「そうですよ?ほとんど外には出してませんからね」
ぎしっと音がした。
僕はどうやらベッドに寝かされてるみたい。
片方が沈んで、誰か乗ってきた。
「きれいな顔をしてる…」
僕の頬に生暖かい風が当たった。
「…本当にいいのか?長野くん」
「ええ…名前は言えませんが、この前は大臣がいらっしゃいましたよ?」
「そうか…」
知らない人の声は笑っていた。
なぜだか…怖くなって…
身体を動かそうとしたけど、全然動かない。
目を開けようとしてもだめだった。
「本当にこの身体を好きにしていいんだな?」
「ええ…その代わり、融資の話…」
「ああ、ああ…分かってる…」
「ありがとうございます」
「ホムンクルスの赤ん坊を抱けるなら…安いものだ」
抱く…?
僕を抱っこしてくれるの…?
ぬくもり…もしかして人間のぬくもりを感じることができるかもしれない。
心臓が高鳴った。