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SHELTER【気象系BL小説】

第4章 Knockin' on Heaven's Door


深夜、母さんの様子を見に行く。
それは習慣になってた。
時々ベッドを抜け出してキッチンに立って、料理をしていることがあるからだ。
もう料理なんて作ることができないのに…

その日は、母さんの姿はどこにもなくて。
部屋中探したけど居なくて。
玄関に行ってみたら靴もなくなってて。

慌てて家を飛び出した。
マンションの近くを探しまわった。
どうしても見つからなくて、警察に連絡した。

その日の明け方、やっと母さんは見つかった。
家に帰ろうとしていた。
それは…母さんの実家だった。


母さんの頭のなかに、消しゴムがあって…
母さんは僕のことを消してしまった。


あんなに束縛したのに


若年性アルツハイマーと医者に言われた。
特効薬が開発されていたけど、そのどれもが母さんには効かなかった。
稀に、こういうことがあるそうだ。
元々母さんには統合失調症の症状が見られたからかもしれないと、また医者に言われた。

日々惚けていく母さんを、俺は見ているしかなかった。

「母さん…」

呼びかけても返事はない。

「母さん…」

俺…何のために生きてるのかな…

誰か教えてよ…



母さん…俺、疲れたよ…



どうして俺の世界を狭くしたの?
どうして俺の世界には母さんしかいないの?
どうして俺を…



置いていくの?






”ママ…僕の銃を地面に置いてくれないか”







100年以上前の歌が頭に流れる…







heaven's door…








俺は、銃を手にした







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