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SHELTER【気象系BL小説】

第3章 エニグマ


「そういやなんで”カズ”だったの?」

朝飯の用意を給食室でしながら智に聞いてみた。

「いや、なんかさあ…A地区にいた頃に居た歌手と、歌い方がそっくりだと思ったんだよねえ…」
「へえ…でも智がA地区にいた頃って、20年以上前じゃないか…」
「そうだな…俺が中学に上がった頃にねヒットした曲…ほら…覚えてない?雅紀…KAZUって人なんだけど…」
「ああ!ああ!」
「わかる?俺がこっち来てからも歌手やってたのかな?」
「やってたよ…俺が高校生のときも居たもん」
「そうか…懐かしいな…」

おもむろに智が歌い出した。
その曲には聞き覚えがあった。

「わかる…それ…」
「だろ?わかるだろ?」
「うん…その人って…確か俺と同じ年くらいじゃなかった?」
「そうなんだよ!だからびっくりしてさ、覚えてるんだよ」

給食室の扉が開いて潤が入ってきた。

「なんの話?」
「ニノの…いや、カズの歌い方が誰かに似てるって話」
「ああ…KAZUだろ?似てるよな…俺がA地区からこっちに来る前にもヒット曲出してたよ」
「へえ…活躍してるんだ」
「俺がこっち来てからはわからないけどな…シュウにでも聞いてみたら?」

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