第20章 The branched story2
「シェルター…行ってみる…?」
最初に、ニノが狩りの時隠れたシェルター。
ここは一番最後に埋め立てることになってた。
教室の戸が少し開いてて。
中は暫く誰も入ってなかったのに、足跡がついてた。
智がシェルターの中に入ってみたけど、居た形跡はあるけどもニノは居なかった。
手分けして、他のシェルターも見てみたけど居なくて…
「どこ行ったんだよ…」
潤も少し焦りの色を見せながら、歩いてる。
「食堂は?」
「え…さっきまで俺たちいたじゃん…」
「いや、行ってみよう」
さっきは、食堂の前の廊下からグラウンドを眺めていた。
まさかその後ろの食堂にいるとは思ってなかったから、盲点だった。
ニノは、奥のソファで丸くなって眠っていた。
「…いたあ…」
「なにしてんだよ…こんなとこで…」
翔がブランケットを持ってきて、ニノに掛けた。
「ちょっと朝から元気なかったみたいだから…寝かしとこうか…」
そう言って、肘掛けに座ってニノの頭を撫でた。
すやすやと心地いい寝息を立ててる顔を、みんなで眺めた。
ちょっと笑ってるみたいな口元。
出会った頃と変わらない幼い顔。
透き通るような透明な白い肌。
なにも…なにも変わっていない…