第20章 The branched story2
「ニノ…」
唇が離れて…一瞬だけ、いつもの雅紀の優しい声が聞こえる。
目を開けると、僕が愛おしいよって目が…言ってる。
ぽたり、雅紀の汗が僕に落ちてくる。
「雅紀…僕も…」
「ん…」
僕も…あいしてる…
雅紀の広い胸に顔を埋めて、背中に腕を回してぎゅうっと抱きつく。
間髪入れずに、雅紀の腰が動き出す。
「あっ…ああっ…」
最初からものすごい速度で突き上げられて。
雅紀の額の汗が、僕の胸までたくし上げられた服に染み込んでいく。
「ああっ…ニノっ…」
愛してる…愛してるからね…
雅紀の言葉にならない言葉が身体に染みてくる。
ああ…満たされていく…
「雅紀っ…雅紀ぃっ…」
机の縁を掴んでいないと、身体が飛んでいきそうな勢いで突き上げられる。
ガタガタと木の古い机は派手な音を立ててるけど、僕たちには気にならなかった。
「ニノっ…もうっ…」
「あっ…ああっ…」
雅紀が身体を起こして、僕の戒めていた手を外した。
ぎゅっと雅紀の大きな手が僕を握り込んだ。
「ニノっ…一緒にっ…」
「あああっ…雅紀っ…」
前も後ろも雅紀に激しく愛されて、目の前が真っ白になるほど感じて…
最後に大きく腰をぶち当てられた瞬間、僕たちは弾けた。