第20章 The branched story2
「くっくっく…ニノ…雅紀も、一緒だったんだよ?」
「え…?」
「三人で、家族だったんだよ…松岡さんと智と雅紀は…」
潤にそう、こっそりと囁かれて、やっと僕はわかった。
そっか!
雅紀も一緒に…結果的に、三人で愛し合ってたんだ!
そういうことか!僕、間違えちゃったんだ!
だから雅紀が拗ねちゃったんだ。
「…雅紀…?」
「ん…?」
ちょっとまだふくれっ面してそっぽを向いてる雅紀の顔を持って、こっちを向いてもらった。
ぐきって音がしたけど気にしない。
「いだっ…」
「ごめんね?雅紀」
「いだい…」
「雅紀も、松岡さんに愛されてたんだね?」
「ぐびいだい…」
「僕ったら、無神経なこと言った!ごめんねっ!」
そのまま雅紀に抱きついて、いっぱいごめんなさいって言ったら、雅紀は許してくれた。
首が動かないみたいだけど、許してもらえてよかった。
「はぁ…もう、こんな過去の話するなんて思わなかった…」
首をさすりながら、雅紀は愚痴った。
「まあ、でも…こういう機会がないと昔のことなんて聞けないからな。俺は嬉しかったよ。雅紀…」
そう言って潤は微笑んだ。
「俺にだって言えない過去があった。だから、話せないことがあるってことはわかるよ……でも話したくなった時、いつでも聞くから…また聞かせてくれよな」