第20章 The branched story2
「大丈夫…?雅紀…」
「うん…ちょっとびっくりしたけど、平気…」
潤が雅紀の手をぎゅっと握り返した。
「…よかった…雅紀と智が出会えて…」
「潤…」
雅紀が潤の手を引き寄せて、潤の身体に額をくっつけた。
「…智…最初は酷い目に遭ったのかなあ…」
「さあな…」
「なんにも言わないから…智…」
「おまえもだろうが」
「…うん…ごめん…」
僕も、膝に乗ってる雅紀の手を握った。
「ニノ…」
「その…松岡さんって人のお墓にお礼言いに行こう」
「そうだね…うん…」
「感謝してもしたりないな…僕…」
「うん…」
「今の雅紀と智が居るのは…松岡さんが智のこと愛してたからなんだね…」
ふと雅紀の顔を見たら、ぶーってふくれっ面してる。
「えっ?どうしたの?雅紀」
「ぶはっ…」
潤が吹き出してゲラゲラ笑い出した。
「えっ?えっ?どうしたの?なに?」
「いや…うん…ちょっとまだニノには難しかったな」
潤が涙を拭きながら、俺のこと抱きしめてくれた。
「なあに!?ちゃんと教えて!潤!」
「また今度な?」
「ええっ…」
雅紀の方を見たら、なんだか複雑そうな顔をしてる。
僕、なんか言っちゃいけないこといったのかなあ…?