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SHELTER【気象系BL小説】

第20章 The branched story2


僕にしては結構いいこと言ったと思ったんだけど、雅紀に怒られた。

「むう…」
「まあまあ…わかったよ。で?」
「でって…そんだけだよ?」
「違うだろ…?そんだけで長瀬さんがわざわざ国境まで来るか?」
「え…まあ…その…」

雅紀はその頃居なかったから、聞いた話なんだけどって。
モゴモゴ言いながら話してくれた。

「松岡さんが変わったのは…智のせいだって…」
「へ?」
「最初ね…松岡さんって潤と一緒でC地区に入ってたんだ」
「ああ…それは聞いたことがある」
「で、B地区に迷いこんで、こっちで生活するようになったころ、長瀬さんと再会して…まあ、荒れてたんだよね。俺が来た頃にはもう、ちょっとやんちゃなお兄さんって感じだったけど…」
「…まあ、わかるがな…」

C地区は、凶悪犯が入れられることになってるけど、潤みたいな政治犯も同じように収容されてた。
松岡さんは、どうやら政治犯だったみたいだな…

「中学生だった智がB地区に送られてきて…松岡さんが保護したんだけどさ。智は一番年が若くて、みんな狙ってたんだって」
「狙ってた?」
「…セックスの道具として…」
「あ、ああ…そういうこと…」

潤が、ちょっと暗い顔をしてため息を吐き出した。

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