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SHELTER【気象系BL小説】

第19章 The branched story1


「え…?」

翔が意外だって顔をした。

「畑なんかでも一緒なんだよね…実った作物ばかり手入れしてもだめで、土から改善しないともっと収穫は望めない」
「あ…」
「実ってる作物も、そりゃ大事だよ。だけどさ、土からよくしてやんないと、それ以上進まないんだよ」

智はふふっと笑うと、翔の隣に座った。

「翔が俺たちの生活を良くしたいと思ってくれてるのは、よくわかってる…でも、ニノが目指してるところに行き着くには、少し回り道してもいいんじゃないかな」

そう言うと、僕の顔をそっと伺い見た。

「そう、だね」

すごく、わかりやすかった。
智の例え。

「まず、C地区だ…ね!翔!」
「ああ…」


潤と雅紀が夕方帰ってきて、僕たちは話し合った。
それまでエリアBのことばっかり話してたけど、まずはC地区を整備することから始めようってことで話はまとまった。

智のおかげで、しばらくの基本方針がすぐに固まった。

「インフラ、食料の問題もあるけど…同時に、一番厄介なとこを時間かけてテコ入れしていかなきゃな…」

問題は山積だ。
だけど、僕たちにはたくさんの時間と、たくさんの協力者たちがいる。

絶対に、進んでいける。

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