第19章 The branched story1
智が覆いかぶさってくる。
温かい皮膚が触れ合って、身体が震えた。
「ニノ…」
つぶやきながら、熱が押し当てられた。
「智…」
後ろに伸ばした手をしっかりと握りながら、智は僕の中に入ってきた。
「くっ…」
ちょっと苦しそうな声が聞こえた。
「智っ…」
「ああ…ニノっ…」
いきなり智の塊が僕の中に、全部入ってきた。
「あああっ…」
「ごめっ…加減できないっ…」
腰を強く引っ張られたかと思うと、がつんと押し当てられた。
「あっ…あぁ…」
「ニノ…ごめん…」
「…ううん…」
どうしたんだろ…急に…
「気持ち…いい…」
智の掠れた声が聞こえた。
「うん…嬉しい…」
僕で智が気持ちよくなってることが、とてつもなく嬉しかった。
「動いて…?智…」
「うん…」
最初はあんなに乱暴だったのに、智はゆっくりゆっくりと動いた。
「ん…んん…」
「ニノ、大丈夫?苦しくない…?」
僕に覆いかぶさるようにして、耳元で心配そうな声を出す。
「大丈夫だよ…?もっと動いても…」
「うん…」
見上げたら、泣きそうな顔をしてた。
「…どうしたの?智…」
「ううん…なんでもないよ…?」