• テキストサイズ

SHELTER【気象系BL小説】

第19章 The branched story1


「な、なんだよ…急にでかい声…」
「僕は、智の教科書だよ!?」
「ええっ…」
「だから、智が勉強するのに、僕が知っておくのが何で悪いの!?」
「だって、ニノにはニノの勉強が…」
「智だって勉強しなきゃ!」

口で伝えれば、智は覚えられるんだから。
だったら僕が智に伝えればいい。

「僕が、智のお父さんの代わりに教科書になったんだから…」
「ニノ…でも…」
「智が勉強嫌いなのは…字が読めないから、だったんでしょ?」
「うん…」
「でも、智はもっといろんな事知れる。理解できる。だから、僕はそのお手伝い、したい」

智は黙り込んでしまった。

「…あと、ちょっとだよ。智…」
「…え…?」
「あとちょっと前に進めば、お父さんたちに…智の家族に会える。僕も、会ってみたいな」

智の教科書だったお父さん。

「お母さんにも…お姉さんにも…僕、ここで家族ってものができたら、智の家族も見てみたくなった!」
「ニノ…」
「だからさ、会ったらびっくりさせてやろうよ!」
「え?」
「こんなに智、いろんな事知ってるんだよってさ!ね?」

みるみる智の目が潤んできた。

「あっ…ああ…えっとごめん!泣かせる気なんてなかったのに…」

/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp