第19章 The branched story1
「な…何いってんだよ…」
照れくさそうにしてる智の頬に、僕もキスをした。
「ありがとうね、智」
「お、おう…」
「じゃあ次は、水田行こー!」
3人で学校からちょっと離れた水田まで行って、水の調整をして帰ってきた。
「ん。今日はまあこんなもんだろ」
「あと、校庭に生ってる木の実、採らなくていいの?」
「あ、ちょっと行ってくるか」
「僕も行く!」
「じゃあ、俺は昼飯の準備してるから、2人でいっておいで?」
「はーい!」
そのまま校舎の正面に回って、校庭の周りに植えてある木を見て回った。
「これ、なんの木?」
「実はよくわからない」
「ええっ」
その木には、僕が一番最初にB地区に来て食べた小さなオレンジみたいな実が生ってた。
「オレンジみたいな…みかんみたいな実だなあと思って、山から取ってきて、ここに植えたんだよね。案外うまく行ってよかった」
「凄い…野生児」
「むふ…でも、酸っぱいまんまだけどな。どうやったら甘くなるんだろうな?」
「今度、本取り寄せてみようか」
「え?」
「僕も興味あるなあ…っていうか、まずこの木が何の木なのかも気になる…」
「ばか…ニノは勉強あんだろ?そういうのは…」
「智っ!」