第19章 The branched story1
今日は一日、のんびりするって決めてた。
だから何をしようかなってずっとわくわくしてたんだ。
朝食が終わって片付けをして、さあこれからって時に…
「あー…俺ちょっと、シュウんとこ行かなきゃ…」
「えっ?」
「俺も…ちょっと長瀬さんと話さないといけないことできたわ…」
「ええっ?」
翔と潤はタブレットや書類を見ながら苦虫を噛み潰したような顔になってる。
「まあ、今日一日くらいはって思ったけどな…ちょっと片付けてくる」
「俺も…ちょっとこれ、急がないと…」
ふたりはバタバタと準備をして出ていってしまった。
「…まあ、しょうがないよね…昨日の今日だから、やることたくさんあるんだよ…」
「まぁな…しょうがないよね…」
雅紀と智はしょうがないよねって言ってるけど…
今日くらいはって思って、調整してきたのに…
「ニノ…そんな顔すんなよ」
「そうだよ。俺たちがいるじゃん?」
「むぅ…」
「もお…二十歳になったんだから、拗ねないの」
「そうだぞ?もうズルムケなんだからな?」
「むぅぅ…」
ズルムケだかなんだか知らないけどさ。
この日のために頑張って来たんだけどなあ…
みんなで…
家族で過ごすための休日───