第19章 The branched story1
朝ごはんは雅紀と智が作ってくれた。
僕たちは疲れてるでしょって何もさせてくれなかった。
リビングにご飯を運んできてくれて、皆で朝ごはんを食べる。
「いただきまーす!」
翔はこっちに来てたときは、朝一緒に食べていたから、珍しい風景ではなかったけど、これからは一緒に毎日朝ご飯食べられるんだ。
そう思ったら、嬉しくなってきちゃって…
「こら、ニノ!俺の顔ばっかり見てんじゃない!こぼしてるじゃないか!」
「あ。あれ?」
野菜スープが机に溢れてた。
「なにやってんだ…」
潤がふきんで拭いてくれた。
「えへへ…だって、翔がこれから毎日一緒に朝ごはんたべられるんだなって思ったら嬉しくなっちゃって…」
「俺もっ。嬉しいよな?ニノ?」
「うんっ」
智がぐっと親指を突き出して僕に向けた。
僕も同じポーズをしておいた。
「仲良しだねえ…君たちは…」
雅紀が笑って僕の頭をくしゃっと撫でてくれた。
「あんまり翔を泣かすようなこと言わないんだよ?」
「え?また翔泣いてるの?」
「ばっ…泣いてねーわ!」
「うんうん。泣いてないね。翔、いいこいいこ」
雅紀が翔の頭も撫でた。
「ばかにするのも大概にしろよな…」
「してないって」