第18章 The beginning of the story8
身体を洗って出る頃にはもう外は真っ暗になっていて。
電気ランタンの明かりがぼんやりと照らす中、潤としばらく外で涼んだ。
股間も落ち着いたし、良かった。
「あ…そういえば雅紀が智の身体拭いてるんだった。もう終わったかな…」
「あ、そうなんだ」
「俺、ちょっと見てくる」
これから夕飯の時間なのに給食室に明かりがついていないから、まだ雅紀は智の部屋にいる。
「じゃあ、俺、お湯の始末してから行くよ」
「ん。わかった」
給食室の横の戸から中に入って廊下を歩く。
廊下の電気を付けて歩いていくと、智の部屋の明かりが見えた。
「あれ…?」
なんだか、部屋が薄暗い。
「智また寝ちゃったのかな…」
そっと足音を消して部屋に近づいた。
「あっ…んっ…」
どくんっと心臓がいきなり跳ね上がった。
「や、だぁっ…」
これって…アノ時の声…
「雅紀ぃっ…」
「智…」
うわっ…雅紀と智…
「悪い子だね…智は…」
「やだぁっ…だってぇっ…」
「翔の前でそんなことしちゃだめだって、あれだけ言ったのに…」
「だって、翔が触った…」
「それは智が悪い子だったからでしょ…?」
「やだぁ…違うもん…」