第18章 The beginning of the story8
部屋の引き戸を開けると、智のベッドまで歩いていく。
雅紀や潤の部屋と同じように簡素な部屋ではあるが、智の部屋はアーティスティックで。
書きかけの絵や作りかけのフィギュアが床に転がってる。
それを避けながらベッド際に立った。
「智…?」
「うん…」
昨日くらいから元気になってきて、ベッドから飛び起きそうな勢いで返事してたのに、随分おとなしい。
「どうしたの?」
布団から半分だけ出してる顔が真っ赤だから焦った。
「な、んでもない…」
ボソボソ言って布団に潜り込んでしまった。
「いや、なんでもなくないだろ!」
布団をはぐってギクリとした。
「やだっ…見ないでっ…」
「あ…ご、ごめん…」
パジャマズボンの中に手を突っ込んで…
これって…
「見ないでって言ってるのに…」
顔を真っ赤にして、横を向いてしまった。
「ごめん…その…」
ぎゅっと身体を丸めて、羞恥に耐えてる姿がなんだか可愛らしくて…
「あの…手伝おうか…?」
「…へ…?」
「あっ…その、嫌だったらいいんだけど…」
「翔…」
目に涙が溜まって…
じっと俺のこと見上げてる。
「でも…翔…」
「ん…?」
「触ったこと、ないでしょ…?男の…ココ…」