第18章 The beginning of the story8
シュウは、B地区の水が合うのだとかで…
他に希望者が居ないから、ずっとB地区に潜入してる格好になってる。
「居心地いいんだよね…ここ…」
「まあな…」
同じ孤児ということで、俺とシュウはスエードに入った頃から、なんとなく気が合っていた。
だから、兄弟設定もすんなりいってるんだと思う。
「で…今回の”狩り”の被害者…」
「ああ…死体が上がってるのはもう確認した。数人、行方がわからないのがいる」
「…ああ…」
シュウが隠し撮りした画像を見せてくれた。
こっちで何度か見かけた顔が映っていた。
「俺が把握してるだけでも3人…」
ああ…この人達が…
どの人も健康で、身体のしっかりとした人たちばかりだった。
「やっぱり、今回はただの”狩り”じゃなかったんだな」
「ああ。今回逮捕したのは、やっぱり下っ端で…核心には迫れていないようだ」
今回の狩りが一日で終わったのは、情報が事前に入ってきてたことと、その人数の多さで軍部にも目こぼしできないだろうとスエードで圧力を掛けた結果だった。
軍部とスエードで鎮圧した。
「”狩り”でフェイクされた、”検体狩り”だな」
俺とシュウはそう結論づけた。