第17章 The beginning of the story7
「絶対に…無事に帰ってきて」
「ああ…」
「絶対無理しないで」
「わかってる…」
また泣きそうになってる雅紀を抱き寄せた。
「帰ってくるから…ね?」
「潤っ…」
宥めるように頭を撫でると、雅紀は身体を離した。
「智のこと、頼むぞ…」
「わかった…」
噛み付くようなキスをされる。
「…雅紀…」
「お願い…絶対帰ってきて…」
「わかった…」
こつんと額を付けると、雅紀は翔を見た。
「翔…」
「ん…」
翔の方から雅紀に近づいて、腕を引いた。
そのまま胸に抱きとめると、ぎゅうっと抱きしめている。
驚いて雅紀が俺の顔を見た。
「ごめん。雅紀、行ってくる。潤、絶対無事に帰すから…」
「う、うん…」
翔がこんなことすると思わなかった。
「それから…」
「ん…?」
「俺も、キス…していい?」
「えっ…うん…」
雅紀の顎を掴むと、がぶっとキスをした。
酸欠になりそうなくらい激しいキスだった。
「ごめん…」
「え…?」
「俺も…やってみたかった…」
「ぶっ…」
雅紀も翔を抱きしめ返して、泣き笑いになった。
「こんなの…帰ってきたら、いくらでもしていいから…」
「うん…雅紀…ありがとう…」