• テキストサイズ

SHELTER【気象系BL小説】

第17章 The beginning of the story7


部屋を明るくして外に出る準備を整える。

武器になるようなものは、ナイフしかなかった。
あいつらは飛び道具を持っているんだから、こんなもの役に立たないんだろうけど…ないよりかは安心できる。

「明かりは一切つけちゃだめだ…あいつらの標的になりにいくようなもんだから…」
「ああ…でも、暗視スコープを使ってるなら手はある」
「え?」
「暗視スコープを使ってる最中に、強烈な光源を真正面から見ると…目が眩む。補正機能はあるけど、時間は稼げる。その間に逃げるんだ」
「補正機能…?」
「ああ。補正が機能するまでには数秒ある。だから、もしも敵にコンタクトしたら、これを顔に照射してやればいい」

LEDの小型懐中電灯を俺の顔に向けた。
眩しくて目が眩む。

「翔…暗視スコープ使ったことあるの?」
「え?いや…でもそういう原理なんじゃないのかな?」

なるほどな…やっぱり頭の出来が違うのか。

「わかった…やってみる」

翔と俺、ひとつずつ懐中電灯を懐に入れた。

「これでいいな…」

余分な物は他には持てなかった。
なるべく身軽にしておかないと、逃げられないから。

「行こう」

雅紀を見ると、泣き過ぎて目が腫れていた。

/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp