第17章 The beginning of the story7
「謝んなくていいよ…」
そう言ってもらえばもらうほど、いたたまれなくなる。
「俺のせい…?」
「え…ま、まあ…」
そりゃ、好きな人抱いてたらこうなるだろ…
「ごめん…」
「いや、翔が謝ることじゃないだろ…」
もういいや…
バレてるんだから。
ぎゅうっと抱きしめると、翔もぎゅうっと俺に抱きついてきて。
凄く、幸せだった。
「潤…」
「ん…?」
「俺、本当に嫌じゃないから…」
「ん…」
「だから…」
ごそっと翔が動いたかと思ったら、顔を上げた。
「俺も…キス、いっぱいしたい…」
ちょ…
待てや
「い…今は反則…」
「え?」
「今、そんな事言うなってば…」
どうすんだよ!俺のオレ、暴走中!
「なんで…?俺、おかしなこといった…?」
「ち、違う違う…」
こんな、狩りの最中に…智も熱出してんのに…
どうすんだよどうすんだよどうすんだよ
襲いたくなってんだろうがっ
翔のくりっとした瞳が不安に揺れてる。
「ち…違うんだって…もう…」
そんな顔して、もう…こいつ天然の小悪魔なんじゃないかってもう…
「抱きたく…なるだろうが…そんな事言うと…」
「あっ…えっ…?」