第17章 The beginning of the story7
勝手に下半身が盛り上がって、ヤバイ。
ふーっと細く、翔が息を吐き出した。
かと思ったら、思い切り身体を密着させてきた。
「っ…」
慌てて腰を引くけど、更に翔は密着してきて…
「あ、あのさ…」
「ん…?」
声が掠れてて、翔が緊張してるのが伝わってきて。
こっちまで緊張が更に高まった。
なにか喋ってごまかしてないと、火が着きそうだった。
「たん…じょうび、いつ…?」
「え?」
「お、俺、8月なんだ」
「何日?」
「30日…」
「そっか…俺、1月だよ」
「なん…日?」
「25日」
「そっか…えと、智は11月で雅紀は12月だよ」
「…知ってる」
「あ、そうだったな…」
翔が初めてこっちにきたのは1年前で…
俺の誕生日は、翔はこっちにいなくて。
なのに、雅紀と智のときは偶然こっちに居たんだよな。
「じゃあ…誕生日、一人だったの…?」
彼女とか…居ないんだろうか…
「うん…一人だった。仕事、してたけどね」
「そっか…」
やっぱ、そう…だよな…
彼女とか、嫁さんになるような人が居たら
きっと翔はここまで孤独じゃなかっただろう
俺たちの中に家族の形を見出すほど、孤独じゃ…
「遅くなっちゃったけど…誕生日、おめでとう」
「…潤も…だいぶ遅いけど…誕生日、おめでとう…」
「ありがと…」
な、何いってんだ…俺たち…