第17章 The beginning of the story7
外の銃声は止んでいた。
流石に夜中は眠いのか、狩りが行われている気配はしなかった。
身体を拭き終わって服を着たら、眠気に襲われて俺も横になった。
「翔…」
「ん…?」
「…来る…?」
「え?」
「あ、その…嫌だったら、いいんだけど…」
このまま眠ってしまったら、翔が何処か行ってしまいそうで。
抱きしめていたかった。
「一緒に…寝ない…?」
返事はなかった。
まあ…急にそんなこと言ってもな…
こういうことは時間を掛けないと、とは思うんだけど。
仕方ないから目を閉じて眠ろうとしたら、ごそっと翔が動く気配がした。
ふっと真っ暗になった。
ろうそくを消したんだ。
「いま…いく…」
小さな声が聞こえたかと思ったら、ごそごそと動く音がした。
俺の近くまで来ると、躊躇するように止まったから手を伸ばした。
「翔…」
掴んだのが腕だってわかったから引き寄せた。
強引に身体に掛けたタオルケットの中に入れると、俺の身体でくるむように翔を抱きしめた。
「潤…」
身体に力が入ってるのがわかった。
「ごめん…」
「…なんで謝るんだよ…」
翔の匂いが濃く漂って、抱き寄せたことを後悔した。