第17章 The beginning of the story7
なにげに、翔の発言を肯定することで、翔は俺たちのものだって、宣言してったし…
恐ろしいやつ…
「ほ…欲しいものって?」
「うん…あのね…」
その時、外で銃声が響いた。
「狩りだっ…散れっ…!」
城島さんが叫ぶと、一斉にみんな教室を飛び出した。
「ちっ…こんな時にっ…」
バタバタと学校中で人が走り回ってる。
もう他人のことなんて気にしてる余裕はない。
俺は翔を連れて、正面玄関に走ってブレーカーを下げる。
その間に、雅紀と智は給食室に飛び込んだ。
水をポリタンクに目一杯詰めて、俺と翔の分も置いておいてくれた。
「行こう」
持てるだけの食料と水を持って、全員出ていったのを確認して、戸締まりをして3階の隠し部屋に急いだ。
「閉めるぞ」
隠し扉を閉めたら、部屋が真っ暗になった。
「参った…作業始まったばかりなのに…」
「ああ…こんな時に…」
「アスパラガス収穫したかった…」
翔はなぜか真っ直ぐにのぞき窓に行って外を伺っている。
「翔、何してんだ?」
「ん…なんか、銃声が多い気がする…」
「え?」
皆で耳を澄ませてみたら、銃声が幾重にも重なって聞こえる。
「ちょっと…いつもより人数多いんじゃない…?」
「こんなの…聞いたことない…」
智と雅紀の顔が強張った。