第17章 The beginning of the story7
「…頭固いって言ってる?」
「そぉんな訳ないじゃん」
くすくす笑いながら後ろから抱きついてきた。
「潤が来てから…そりゃ、俺たちのほうがここじゃ長いけどさ…そんな潤だから、頼りにしてんだよ?」
「あーもー…わかったっつーの…」
C地区から流れ着いて…
誰だかわからない俺の面倒見てくれて。
その上、俺のことちゃんと認めて。
俺という人間を理解してくれて…そして、癒やしてくれて。
なにがあったかも聞かないで、ずっとそばに居てくれる。
だから俺だって応えたいじゃん…
役に立ちたいじゃん…
あんな話聞いても、なんにも変わらないこいつらと
一緒にいたいって思うじゃん
ぐしゃぐしゃと後ろの雅紀の頭を撫でていると、翔が教室に入ってきた。
皆、口々に翔に挨拶してる。
「おお~、センセイ今日もべっぴんだね~」
「べっ…べっ…」
「相変わらず良いケツしてんな。今晩、俺とどう?」
「どっ…どっ…」
真っ赤になって口をぱくぱくさせて焦ってる。
「ちょっ…」
「まあまあ…」
止めに入ろうとした俺を雅紀が止めた。
「なにすんだよっ」
「あれは、翔が乗り越えないとね…」
「え…?」
「通過儀礼だよ」