第17章 The beginning of the story7
翔が、新しい風を吹き込んでくれた。
「ほんと…すげぇな…」
防衛医科大は本当に入るのが難しい。
そんな難関を突破するやつは、やっぱり頭の出来が違うんだろう。
俺たちが思いつかなかったこと、俺たちにはできないこと。
翔はそれをなんでもないようにこなしていく。
「敵わねえなあ…」
生き生きと働く人達を椅子に座りながら眺めていたら、いきなり後ろからどつかれた。
「な、なんだよっ!?」
振り返ると、ぶーたれた顔をした智がいた。
「なにニヤけてんの。気持ち悪い」
「はあっ!?」
「サボってないで働きなよ!」
なんだかぷりぷりして教室を出ていった。
「なんだよ…あいつ…」
「くくく…ヤキモチ妬いてんだよ」
雅紀がからかうように俺の髪をぐしゃぐしゃにしている。
「ちょ、ちょ、ちょ!やめろよっ!」
「潤が翔を見る目が、ハートになってるもんだからさぁ…」
「おっ…おまっ…」
「あんなにお互い照れてたのにさぁ…あからさまでさぁ…」
「まっ…待てっ!」
「そりゃ、俺だって?妬かないなんて言わないよ?」
こめかみを指でぐりぐりされた。
「ぐあぁぁぁっ…」
「…早く押し倒しちゃいなよ♡」
な、なにいってんだよおおおお!