第17章 The beginning of the story7
その道具と、こちらも学校に残ってた道具を出して、なんとか全員に配ることができた。
地下シェルターは、二層構造にする予定だ。
まず床から一個目の空間は、ダミーで。
そこに空き箱とか置いておいて、フェイクをしておく。
その下に、居住できるくらいの広さの穴を掘る。
一個目の空間と、二個目の部屋の間は木材なんかで補強して、落ちてこないようにする。
もちろん、居住空間の壁も木材や、手に入ったらセメントなんかで補強しておく。
全て、城島さんが設計で提案してくれたことだ。
「すぐに居住空間があったら、敵に見つかったらあっちゅう間やからな…」
自分で書いた図面を見ながら、ちょっと悦に入ってたのは面白かった。
こんな城島さん見るのは、初めてだったから…
もしもこの試し掘りがだめだったとしても…
こうやってなにかを皆でやっていくっていうのは、いいことなのかもしれない。
「なあ、モッコ作ろうか」
「え?そんなもん作れんのかよ」
「おうおう。麻袋と木の棒があればよ。潤!なんかねえか?」
「ああ…だったら、飼料小屋になんかあるかも…」
なんだか、皆、仕事があっていきいきしてる。
いろんな事情を背負ってここに打ち捨てられた人間だって…
なにか、やれるのかもしれない。