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SHELTER【気象系BL小説】

第16章 The beginning of the story6


気がついたら翔を腕に抱きしめてた。

翔子とそっくりな顔。
翔子みたいにいつも一生懸命な所。

可愛く微笑んではにかむ表情は同じ。

でも、違う。

翔は男。
翔は強くて靭やかな精神を持ってる。

力強く俺たちを守ろうとしてくれてる。

守らなきゃ…守ろうと思っていた翔子とは別人だ。

こうやって腕の中に抱きしめたって、あのまあるくて柔らかい感触じゃない。

違うんだ。
翔と翔子は別人なんだ。

それでも…俺は、翔が…

「潤…」

翔が小さな声で俺を呼ぶ。

「ん…」

その時、教室の戸が開いて智と雅紀が戻ってきた。

「わっ…ご、ごめんっ邪魔…」
「いや、いい…」

そっと翔を腕から離した。

「あの、さ…」
「え…?」

戸を開けたまま立ちすくむ二人を教室に入れた。
窓際のソファまで連れて行くと座らせた。
翔も連れてきて、一緒に向かいのソファに座った。

「ちょっと…話してもいいか」
「うん…どうしたの?」

雅紀が心配そうに俺と翔の顔を交互に見てる。

「俺の…A地区にいた時の話、してもいい?」

智と雅紀、そして翔の顔を順番に見た。
それぞれ、こくりと頷いてくれた。

「…ありがとう…」

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