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SHELTER【気象系BL小説】

第16章 The beginning of the story6


使っていない広めの教室の中にある物を全部出して、ノコギリなんか持ってきて、床板をはぐってみた。

「うわ…魔窟…」

雅紀は虫がちょっとだけ苦手だから、ビクビクしてる。

「ちょっと入ってみる」

苦手な人にはやらせらんないからね。
人が一人入れるほどの穴を開けて、下に降りた。

「湿っぽいな…」
「水、出そう?」
「んーわかんない。掘ってみないことには…」

電気ランタンで床下を照らしてみるけど、よく見えない。
しかも汚い。
蜘蛛の巣だらけ…

「基礎とか絶対に触っちゃいけないものもあるね」
「そだな。そこ触ったら学校が崩れちまう」

覗き込んでる潤を見上げると、にやりと笑った。

「でも…やってみようぜ」
「うんっ!」

思いつかなかったな…

皆で狩りの時に避難できるシェルターを作るなんて。

俺たちは、たしかに助け合って生きてるけど、それはやっぱり極限の状態の時が多くて。

「松兄がいたら、きっと喜ぶね…」
「え?」
「あ。そっか。潤は知らないんだ…」

俺と雅紀がこの学校に住めるようになったのは、先住していた松岡さんのお陰だ。

潤が来るちょっと前に、息を引き取った。

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