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SHELTER【気象系BL小説】

第14章 The beginning of the story4


「ああ…そっか…」

そう言うと、額の汗を袖で拭った。

「悪い。迷惑かけた」
「いや…」

潤は俺の顔を見ると、にっこり笑った。

「身体、汗で気持ち悪い…拭こうかな…」
「ああ…」

ろうそくに火をつけた。
部屋の中が薄ぼんやりと明るくなる。

濡れタオルを用意して潤に手渡した。
智も手伝って、潤は身体を拭き始めた。

「外の状況どうだ?」
「まだ…銃声が聞こえてる」
「…今回はギリギリまでやるつもりか…」
「そうかもね…」

通常は一週間ほど、狩りの連中は居座る。
持ってくる食料や軍との関係だろうと思う。
それ以上長居することはなかった。
最近は一週間も居ないで帰ることもあったけど…今回の連中は、ギリギリまで居るつもりなんだろう。

潤に新しい服を用意して、着させた。
少しさっぱりして、ちょっとだけ顔色が良くなったように思う。

「ありがと…雅紀…」
「うん…」

やっぱりちょっと弱ってるのか、潤は俺に凭れかかってきた。

「しんどい…?」
「ああ…ちょっとね…」

こんな風に、弱ってるのを隠さない潤は珍しかった。

最初にB地区に流れ着いた時は弱っていたけど…
でも身体が回復してからは、そんな所見せなかったのに。

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