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SHELTER【気象系BL小説】

第14章 The beginning of the story4


翔はちょっと複雑そうな顔をしたけど、頷いた。

「うん…事情は、わかる」

頭が随分いいんだなと感じた。

事情はわかるけど、自分はそれに与することはないということだ。

「ごめんね。気持ち悪いとは思うけど…狩りが終わるまでの辛抱だから」
「いいや…気持ち悪いとは思わない。こっちではこれが普通なんだし…理解できるから」

そう言ってぎこちなく笑うと、寝袋に入った。

そのまま皆で眠った。

今は昼間だけど、やることもない。
ただ、眠るしかなかった。


どれくらい経っただろう。
潤のうなされる声で目が覚めた。

「潤…」

智も翔ももう起きていて、心配そうに潤を覗き込んでる。

「汗…凄いな…」

翔がタオルで潤の額を拭った。

「しょ…こ…行くな…」

苦しそうに呻く潤が手を伸ばした。
その手を智が握り込むと、安心したのか表情は穏やかになった。

「しょうこ…?」
「さっきから…その名前…」
「最初…俺の名前、知ってるのかと思ったけど…違うみたいだな…」

翔が呟く。

「その人に…俺が似てるのかな…」
「え?」
「潤は…俺の顔をちゃんと見れないみたいだから…」

少し陰のある顔で笑った。

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