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SHELTER【気象系BL小説】

第12章 The beginning of the story3


翔子は…
追い詰められていたんだ

切迫になりそうだったときも、そして今も…
普通の妊婦だったら、と思ってしまうらしい。

少しだけ、翔子は身体が弱い。
どこが悪いわけではないけど。

小さい頃から燃費が悪かったのよ、と亡くなった翔子の母親は言っていた。

その程度のことだったのだが、今の翔子にはとてつもない犯罪でも犯してるような気分になってるんだろう。

「翔子…大丈夫だから…子供は元気だってお医者さんも言ってくれてるだろ?」

抱き寄せたら、翔子はしがみついてきた。

「…私、潤の子供、ちゃんと産めるかな…」
「産めるよ!大丈夫だよ」
「入院ばっかして…私、情けないよおっ…」
「翔子っ…ばか…」

ぎゅうっと抱いた翔子は少し痩せたみたいだった。

「俺が居るから…な?」
「潤…私、潤の子供、産みたいよ…」
「産めるよ…もうすぐじゃないか…ほら、なんてったっけ?」
「え?」
「案ずるより…」
「…産むが易し」
「そう、それっ!」

ぽんぽんと翔子の背中を、子供にするように叩いた。

「楽しみだね…女の子…」
「うん…」
「きっと、翔子に似て美人になるぞ」
「潤に似たら、濃い顔になるね…」
「オイ」

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