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SHELTER【気象系BL小説】

第2章 Club lunar maria


「迷子」

ぷっとその人は笑った。

「かわいい迷子だね。名前は?」
「…ニノ…」
「そっか、俺はシュウっての。よろしくね」

シュウは髪を短く刈り込んで、素肌にベストを羽織っていた。
アラビアンナイトに出てくる男の人みたいなダブダブのズボンを履いていた。

この人も…何を背負ってここに入れられたんだろう…

「もう、開店の時間じゃない?」
「もうすぐ智が回ってくるよ」
「そっか。今日もよろしくな」
「頑張ってね。表にもうお客さん来てるから」

雅紀の服の裾をくいっと引っ張った。

「…ここは、なんのお店なの?」

俺をみて、雅紀はにっこり笑った。

「ここはね、情報やさん」
「え?」
「B地区じゃ情報ないと死んじゃうから。シュウみたいな商売も成り立つんだよ」
「ははっ…ニノもなんか情報あったら売ってくれよ!」
「う、うん…」

室内にはソファやイスがランダムに並べられている。
シュウが準備しているのはドリンク類。
情報を買ったり売ったりして、お茶を飲むお店か…

「あれ…?ニノ…」
「あ、シュウ。ニノのことはオフレコで」
「…ふうん…わかった。外に出ないようにしとく」
「悪いね」

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