第12章 The beginning of the story3
学校なんて行きたくなかった。
でも、俺は毎日学校へ行った。
行かないと、かあちゃんが悲しむから。
欠陥品を産んだって、責任感じてるのは知ってる。
だからかあちゃんを悲しませないために、俺は学校へ行った。
そんな俺を心配して、町田はいつの間にか毎朝俺を迎えに来るようになった。
他のクラスメイトも引き連れて。
毎日毎日、あいつらは俺のこと迎えに来てくれた。
姉ちゃんも昼休みになると、一年坊の俺達のクラスに顔をだしてくれるようになった。
学校が終わって、部活もせずに帰ろうとすると門の前でとうちゃんが車に乗って待ってることもあった。
家に帰るとかあちゃんが、前よりもたっぷりと飯を用意して待ってた。
毎日、毎日…
俺は、誰かに助けられて生きてた。
誰かに支えられて生きてた。
一人じゃ、生きていけない…
みんなへの感謝と、みんなと同じことができない自分への歯がゆさで、毎日俺の態度はころころと変わっていたと思う。
だけどみんな、俺になにも言わなかった。
俺も、みんなになにも言えなかった。
たった一言、ありがとうって言えば良かっただけなのに…