第12章 The beginning of the story3
その日の夜、両親に告白した。
”俺は、同性愛者だ”
”アメリカに行って暮らしたい”
両親は呆然とした後、血相を変えて思春期の一時的なものだと俺を説得した。
だけど、もう悠長なことを言っていられる状況じゃないことを説明すると、納得はしなかったがアメリカ行きに協力してくれることになった。
急いでパスポートを申請した。
誰にも何も言わず準備していた。
既に俺の噂で近所ももちきりで。
みんな好奇と嫌悪と、そして信じられないという目で俺を見てた。
風間は何度も俺をかばおうとしたけど、そうなるとあいつまで立場がまずくなる。
だから、突き放すしかなかった。
そして、いよいよ明日出国するという日―――
高校は、俺が出国してから退学の手続きを取ることになっていたから、いつもどおり授業に出た。
放課後、帰る準備をして後ろの席にいる風間を見た。
最初、きょとんとした顔をしていたけど、すぐに何かを察する顔になった。
「雅紀…?」
「バイバイ。風間」
きっと、風間にはわかってたと思う。
だけど俺は何も言わなかった。
ありがとうな。
俺のこと、ずっと友達だと言ってくれて。
感謝してる…