第12章 The beginning of the story3
「ごめんだね」
背を向けて歩き出した。
「私!わかってるんだからねっ…」
振り返ると顔を真赤にして俺を睨みつけていた。
「なにがだよ」
「あんた…男のほうが好きなんでしょ?」
「…やっぱり、あの写真貼ったのお前か」
「私、わかってるんだから…あんた、女と一回もつきあったことないじゃない…」
「それがなんだよ…そんなやついくらでもいるだろうがよ…」
「中学の頃から、何人に告白されてんのよ…一回もOKしたことないじゃない」
「好きなやつとじゃないと付き合いたくないんだよ」
「じゃあ好きな人って誰?」
「はあ?お前にいう必要なんかねえだろ」
「言えないんでしょ!?男だから!」
目を血走らせて、醜く歯をむき出したような顔になった。
「私、わかってるんだからね!あんた、男じゃないとだめなんでしょう!?だから、私のことフったんでしょ!?」
「…いいかげんにしろよ…くだらねえ…」
吐き捨てるように言うと、歩き出した。
「あんたなんか…地獄に落ちればいい!汚いっ…」
カッとなった
振り向いてゆりの学校指定カバンを思い切りはたき落とした。
「俺が汚いかどうかなんて、お前が決めることじゃねえんだよ…」