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SHELTER【気象系BL小説】

第12章 The beginning of the story3


教師たちにしつこく質問をされたけど、身に覚えのないことばかりだった。
一体、どういう密告だったのかも教えては貰えなかった。

学校の帰り、少し頭がクラクラしていた。
駅のホームに立っていたら、向かい側のホームに見覚えのある女が居た。

「――ゆり…」

ゆりは中学生の時の同級生だった。
何度も俺に告白をして、付き合ってくれと迫ったこともあった。

その度に断って、諦めてくれたと思っていた。

ゆりは俺を見ていた。
その瞳の奥には燃えるような憎しみが見えた。

…おまえか…

分かった気がした。

同じ高校に来たのは、偶然だと思ってた。
けど、そうじゃなかったんだ…

向かい側のホームに立つゆりは、憎しみを込めた目で俺を見ていた。

突然視界が歪んだ。

立っていられなくなった俺はその場にしゃがみこんだ。

「おい。雅紀…大丈夫か?」

その声は風間だった。

だめだ…俺に触れるな。

「真っ青じゃないか…掴まれ」

そう言って手を差し伸べる風間をみられなかった。

ゆりは、一層憎しみのこもった目を俺に向けていた。

だめだ…風間、俺から離れろ。



お前まで巻き込んでしまう―――

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