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SHELTER【気象系BL小説】

第12章 The beginning of the story3


なんで…こんなことになったんだ。

小学生のとき、自分の性癖に気づいた。
それがすぐに”いけないこと”であるのは、周りを見ていたらわかった。

それまではかあさんがうるさく言ってくれていたから、周りにはバレていなかったと思う。
本当に、小さい頃からかあさんは厳しかった。

同性である男を好きになる―――

かあさんは気づかないふりをしていただけで、本当は知っていたんじゃないだろうか。
じゃなきゃ、とっくに俺はあそこへ連れて行かれていただろうから…

だから、慎重になった。

絶対に誰にもばれないように行動した。

アメリカにさえ行ければ…
いつしか幼い俺の夢は、アメリカに移住することになっていた。


この国では、同性愛者は犯罪者と同義だった。
B地区というおぞましい場所を作って、そこに犯罪者と一緒に押し込められる。

同性愛者がなんの罪を犯したと言うんだろうか。
同性愛というのは病気じゃない。

誰にも迷惑を掛けていないのに、犯罪者と同じ扱いを受ける。

国際的にも非難されているのに、この国の人間はこのマイノリティいじめをやめようとはしなかった。

それがこの国のかたちなんだろう。
そうしていないと、平衡を保っていられないんだろう。

自分よりも劣った人間がいるという妄想で、安心するんだろう。

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