第2章 Club lunar maria
チキンライスも食べたことのない味で、とっても美味しかった。
「この鶏肉おいしい!」
「そうだろ?潤の特製のタレに漬け込んであるから、美味しいだろ?」
智が得意げに言うのがおかしくて。
くすくす笑ってたら、潤と雅紀も笑い出して。
「なっ…何笑ってんだよ!」
「智が作ったわけでもないのに、自慢してっからだよ」
「なんだよ!潤を褒めたんだぞ!」
「はいはい。ありがとう」
かわいいヤツだなぁ…智って。
いちいち反応が素直っていうか。
潤は大人っぽい。
一番落ち着いてるっていうか。
リーダーっぽい。
なんで…こんなところに居るんだろう…
智も雅紀も、罪を犯したわけじゃないのに…
「どうした?お腹いっぱいになった?」
雅紀が覗き込んできた。
「あ…なんでもない」
残ってたチキンライスをかっこんだら、もう外は真っ暗になってた。
「よし、じゃあニノと雅紀はもう寝ちまえよ」
「えっ…まだ時間早い…」
「ああ…休んでろってこと」
「ここは今日、俺と潤でやっとくから」
「最初からそのつもり。じゃあ後、よろしくね」
雅紀はまた、俺の手を握って歩き出した。
「ま、雅紀。いいの?」
「何いってんの。案内するって言ったでしょ」
また、微笑んでくれた。