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SHELTER【気象系BL小説】

第2章 Club lunar maria


潤の作ってくれたご飯は、みたことないようなご飯だった。

「これ、なあに?」
「ん?チキンライス」
「そうなんだぁ」

炒めて味をつけたご飯の上に、何かの肉が乗っている。

「こんなご飯初めて食べる」
「え?」
「そういえば、シリアルも食べたことないって言ってたよね」
「うん…ジャンクフードは食べたことない」
「ぷっ…まあ、このチキンライスもジャンクフードみたいなもんか」

潤が苦笑いして、小鉢を差し出してくれた。

「これな、A地区じゃ見ない野菜だろうけど、大丈夫だから」
「これは…?」
「山菜だよ。山に生えてる野菜だよ」
「ふうん…そうなんだぁ…」

見たこともないものだった。
それは塩漬けにされていて、色も茶色い。
ぐるぐる渦を巻いてるのから、いろんな形のものがあった。
おそるおそる食べてみたら、変な味がした。

「ぷっ…なんて顔してんの!ニノ!」

智がゲラゲラ笑い出した。
潤もちょっと噴き出した。
雅紀は困った顔して俺を見てた。

「大丈夫?ニノちゃん」
「ん…大丈夫…」

でも食べられないわけでもなくて。
そのまま小鉢を空にした。

「結構、だいじょうぶだった」
「なら良かった」

潤が微笑んだ。

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