第9章 HEAVEN
「これからは、翔は僕たちと一緒に頑張ろね!」
ニノがジャンっとギターを鳴らした。
「え?」
「今まで一人にしてごめんね…」
「ニノ…」
「やっと…家族で住めるね」
「…ああ…」
ふっと潤が笑ってニノの頭を撫でる。
「翔を泣かすな」
「え?泣かせてないよお…」
「ばっ…何言ってんだ、潤っ!」
「ふふ…意外と翔も泣き虫だもんね~」
からかうように智が言うと、翔は頬を膨らませた。
「潤と智には言われたくない」
「はいはい…」
「もう、いいからさ。カクテル何飲むの?」
「ま、ここで一番の泣き虫は雅紀だけどね」
またニノがギターをジャンっとかき鳴らした。
「もっ…もーっ!カクテル作るの止めたっ」
「えーっ雅紀ごめんって!」
「知るかっ…ニノのバカっ」
翔と潤が目を合わせた。
「おお…さすが雅紀だ…罵りの言葉の語彙が少ないな」
「だな」
「どっ…どういう意味だよっ!」
「ん?お前は、人のこと罵らないで今まで生きてきたんだなってことだよ」
潤が笑いながら言うと、皆わらった。
「なんだよ…俺だって人を呪ったことくらいあるけど?」
「褒めてんだよ…わかるだろ?」
「ふん…」