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SHELTER【気象系BL小説】

第9章 HEAVEN


その日、日本で起こったことは全世界に報道された。

翔が持ち込んでくれたパソコンで俺と智はそれを見た。

ニノは俺達の象徴。
いわゆる顔ってやつだ。

実際にB地区を取り仕切っていくのは、潤だ。
これは各地のB地区の代表で決めたことだ。
潤はA地区にいるころ反政府運動の活動家だったから、支持する人が多かったのだ。

翔はスエードに在籍したまま、A地区とB地区の橋渡しとして、表には出ないが重要なポジションになっていた。
政府関係者として、会見に出席している。
ネット映像には写っていないが、会場の何処かに居るんだろう。

「…なんか、途方も無いことやっちゃったね…」

智がぽつりと呟く。

「そうだね…こんなこと、できるなんてね…」

ニノが来る前…正確に言えば、カズとN1N0が融合するその前までは…
誰もこんなこと想像もしてなかった。
漠然と、B地区なんてなくなればいいと思っていただけで、こんなところに押し込められた自分たちで行動を起こすなんて…
そんなだいそれた事、誰も考えたこともなかっただろう。

やってみたら、案外うまく行ったけどね。

どこかで自分たちを弱者だと決めつけていたのが、解放されたんだろうなと思う。

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